今年創業30周年を迎えたニュースキンジャパンの2022年12月期売上高は、4年連続の増収だった。今期も「5年連続の増収達成に自信がある」という小林和則社長に、30年間事業を継続できた秘訣と今期の戦略について聞いた。
創業から5年間の急成長がベースに
――ニュースキンジャパンが30年間事業を継続できた秘訣は?
われわれのミッションに共有・共鳴してくださっている方が多いことが挙げられる。30年間、一度も遅延することなくコミッションが支払われたという信頼できる会社でもある。ミッション、製品、オポチュニティーの三つがしっかりとリーダーの中で確信に変わり、確信を伝え続けることができて、次に続く人たちに脈々とつながっていることが強みだと思う。
――30年の歴史の中で会社として特筆すべき出来事は?
まず、会社勃興期の5年間で売り上げがゼロから851億円までに大きく成長を遂げたことがベースとしてある。その次に、スキンケアからスタートした会社が、ファーマネックスを買収して、サプリメントの分野に進出した。今、会社として掲げている「NU VISION 2025」の戦略「ビューティー&ウェルネスのインテグレートされたリーディングカンパニーになる」のベースを作った。
――2022年12月期の業績について。売上高は4年連続増収とのことだが、成長率は?
1%増に満たない微増ではあった。
――2023年1-6月期(中間期)の売上高は?
第2四半期はまだ発表していないが、やや苦戦し多少の減少だ。4月に2回目の製品価格の値上げを実施したため、愛用者のスローダウンがあった。しかし、ビジネスメンバーのモチベーションは高い。下半期に向けては、新製品投入を含めてさまざまな施策があるため、対前年同期比はプラス成長し、通期でもプラス成長を達成して、5年連続増収は可能だという自信はある。
――新規会員登録者数の状況は?
前期は10月以降、減速していたが、今年のLIVE以降、いいトレンドになっており、6月はほぼ前年同月と同じレベルにまで達した。
――LOI(ビジネス契約書)申請者数はどうか?
今年の第2四半期の手前からは対前年同期比を超えている。
─2年前に開始したBR(ブランド レプリゼンタティブ)達成のための新施策「4シェアリングブロック」は2022年の年内まで実施した。
昨年と同様、LOI達成者のうち、約半数がこれを活用した。
ライブコマースにも注力へ
――前期の化粧品の施策において。プロダクトアンバサダーやインフルエンサー、メイクアップアーティストを招いたライブコマースを実施した。
ライブコマースは新しい取り組みで、今までのビジネスモデルとデジタルとの融合だ。個々のイベントは盛り上がるが、スケールしていかない。なぜかと言えば、まだまだフィールドがデジタルを使ってスケールしていくための基礎的な知識や能力が足りていなかった。そこで、まず自力をつけるために、基礎的なソーシャルメディアのトレーニングをスタートした。ライブコマースに呼び込むためにはソーシャルメディアを使って魅力的にお誘いすることが必要だ。
――2023年4月に発売した新製品「ビューティー フォーカス コラーゲン プラス」の売れ行き状況は?
とてもいい。米国で先行発売し、非常に成長しているという情報が日本にも伝わっていた。ADP(オートマティック デリバリー プログラム)の製品ラインアップにも乗せやすいため、毎月対前年同月比で増えている。飲んでもらえれば実感してもらえる製品だ。
――新たなデバイスシステム「ウェルスパ iO」は発売はいつ頃で、どのような特徴がある機器か?
初めてのビューティーとウェルネスを統合したボディ用のデバイスだ。IoTを搭載しており、製品の用途は(1)整う(2)メリハる(3)ゆるむ─の三つある。(1)は、身体の水脈のめぐりを良くして身体を整わせる。(2)はボディ ガルバのように、お腹周りや二の腕を引き締める。(3)は運動後など筋肉を使った後にゆるんでリラックス効果が得られる。リーダープレビュー(先行販売)は8~9月で、正式発売は11月になる。フィールドではトレーニングを開始している。
――昨年導入した二つのアプリ「Vera(ヴェラ、愛用者向け)」と「Stela(ステラ、ビジネス会員向け)」のダウンロード数は?
3万弱のダウンロード数だ。年末に向けて全製品が購入できる機能を搭載すれば、利用者数はもっと増えるだろう。ビジネス会員は、「プロダクトオファー」を最も使用している。見込み客に製品を勧める機能で、サインアップ(登録)や購入につながっている。
デジタルに経営資源集中
――今期の戦略と業績見通しは?
グローバルで一致している戦略「Empower me」を日本に根づかせること。デジタル戦略としては、まずはデジタルリテラシーを高めて、来年以降スケールしていくための準備をしていきたい。業績見通しとしては、前述したように、5年連続増収を達成できれば、1993年の創業時からの5年連続成長以来の達成となる。この成長軌道を維持したまま、来年のニュースキンエンタープライズの創業40周年を迎えたい。
――全国のエクスペリエンスセンターを順次営業終了しているが、その理由は?
グローバルの戦略の一環で、デジタルに経営資源をシフトさせるためだ。本社所在地のある東京・表参道のみを残した。多くのリーダーは理解を示しており、サロンを借りて自身のグループの拠点として展開しているリーダーもいる。