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2024.05.10

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【インタビュー】ジャパネットツーリズム 旅行企画戦略部 シニアリーダー 森田貴之氏、「<ジャパネットのクルーズの現在地は?> 売上100億円を突破」

森田貴之氏


ジャパネットグループのジャパネットツーリズム(本社福岡県、茨木智設社長)の成長が続いている。2023年12月期には売上高が100億円を突破した。今後の展望について、ジャパネットツーリズムの旅行企画戦略部 森田貴之シニアリーダーは、「売り上げももちろん大事だが、お客さま目線でのサービス向上や魅力的な旅行プランの提案に注力していく。今後も旅を通して『今を生きる楽しさ』を届けられるようなサービスを提供していきたい」と意気込みを話す。ジャパネットツーリズムが手がけるクルーズの現在地に迫る。




─貴社が手がけるクルーズの内容について伺いたい。2023年は何回クルーズを実施したのか。


合計13回の周航を実施した。クルーズ名は「あこがれの日本一周クルーズ10日間の旅」「西日本周遊・沖縄クルーズ10日間の旅」「大満喫の日本一周クルーズ13日間の旅」「秋の絶景日本一周クルーズ10日間の旅」だ。どの回も1回限りではなく、複数回の周航を実施した。

─2023年を振り返ってどうだったか。
 
2023年はコロナ禍が収束した後の運航再開で、予約やキャンセル率が読めず一部苦戦することもあった。だが、失敗と成功を分析してさまざまなデータを蓄積できたことが大きな収穫となった。
 
ジャパネットでは、グループを通じてクルーズの乗船が初めてのお客さま向けに船内のことを分かりやすくまとめたオリジナルガイドブックを自社で制作している。


このほか実際に添乗するスタッフで応対するクルーズ専用のコールセンターを設置するなど、乗船への不安解消にも努めてきた。

その結果、全乗客のうち約8割(2023年実績)のお客さまに初めてのクルーズ旅行として、ジャパネットクルーズを選んでいただいている。2023年5月の運航再開後、4万人以上のお客さまにクルーズに乗船いただき、新たな人生の楽しみや、寄港地との出会いを届けたことを大変感慨深く思っている。

─どのように認知拡大を図ったのか。テレビCMも放送していたと記憶している。

販売手法は今までと変えていない。テレビショッピングやテレビCMを始め、旅番組をグループ会社のBSJapanextで制作するなど、クルーズの魅力を広く伝えている。

インターネットではクルーズ旅行未経験のお客さまへアプローチしたり、ジャパネットの会員さまにはカタログやDMなどで紹介している。また、一度乗船いただいたお客さまにはリピーター向けの案内を送付している。

─クルーズは他社も提供している。他社との違いについて伺いたい。

それは、(1)船を丸ごとチャーターしていること(2)同じコースを販売していること(3)旅行中に追加料金を気にせず楽しめること─だ。

チャーターしているからこそ、お客さまへのサービスやインフォメーションなど細かい部分までこだわることができる。1隻をいくつかの旅行代理店が分けて販売している場合は、旅行会社の意見を船全体に反映させるハードルは高い。

ジャパネットのクルーズはジャパネットのお客さましかいないので、そこに焦点を当ててサービスを改善できる。初めてクルーズに参加するお客さまが多いため、不安や心配なく船旅を楽しめるように、サービス改善を重ねている。具体的にはジャパネットオリジナルの船内新聞を毎日発行している。各種設備・サービスの使い方、イベント情報などを実際に乗船しているスタッフが、お客さまの日々の状況を見ながら丁寧にタイムリーに案内している。

ほかにも、事前にコールセンターに入る問い合わせや、実際の乗船中にいただく意見をもとに、サービス内容を細かいところまでMSC社とともに改善している。

私たちは新規にクルーズに参入した旅行会社のため、普通に旅行商品を販売しても他社にはかなわない部分がある。しかし同じ船で何回も同じコースを回ることにより、船内のサービスと各寄港地での観光などの知識や知見がたまるため、MSCベリッシマでの日本一周に関しては他社にはない豊富な知識と知見を持っている自信がある。

ジャパネットのクルーズはこのような経験をもとに、お客さまに寄り添ったサービスを提供できるため、高い満足度を維持できていると思っている。

また、追加料金を気にせず楽しめるように、宿泊、食事はもちろんのこと、船内でのチップの支払い、船内でのドリンク飲み放題(アルコールを含む)、寄港地での無料循環バスなど全て含んだ料金設定にしている。

そのため旅行代金をお支払いいただくことで、追加料金を気にせずに船旅を楽しむことができる。これは船内での非日常の時間を楽しんでもらうために実施しているジャパネットクルーズのこだわりだ。ドリンクを頼む際に価格を気にしたり、チップはいくら支払えばいいのかなど、不要な心配をせずに船旅を楽しんでもらいたいため、このような設定にしている。

─現在の課題は。

寄港地での観光は現状より、さらに良いものが提供できると考えている。オプショナルツアーをより充実したものを企画したり、無料循環バスでの観光をより楽しんでもらえるコースに設定できるように検討していきたいと思っている。

各寄港地での観光を通して、また訪れたいとお客さまに思ってもらうために私たちだけでなく、地元の旅行会社や自治体の皆さまと協力しながらお客さまに喜んでいただけるサービスを提供していく。

─今後の展望は。

今年、高価格帯のラグジュアリークルーズを実施したが、それは今後も継続して企画していきたい。また今後は、海外に飛行機で行ってクルーズを楽しむフライアンドクルーズや、日本国内での2泊程度の国内旅行などを実施したいと考えている。




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