ヤクルト本社の2024年3月期で、ヤクルトレディ(YL)が扱う宅配専用商品「ヤクルト400シリーズ」の1日あたりの販売本数は、前期比14.2%減の204万2000本だった。「ヤクルト1000」は同6.4%増の216万9000本で、店頭販売の「ヤクルトY1000」を含めた「ヤクルト1000シリーズ」は同24.9%増の319万1000本と好調だった。連結業績は、国内飲料は好調だったものの、海外飲料は価格改定や為替の影響で増収したものの、中国での販売本数が減少したことに加え、原材料の高騰で減益となった。
宅配チャネルにおいては、「ヤクルト1000」と2023年9月にリニューアル発売した「ヤクルト400W」を中心に、新規客開拓を実施し、既存客への継続飲用の促進を図った。インターネット注文サービス「ヤクルト届けてネット」については、「ヤクルト1000」「ヤクルト400W」の新規申し込みを2023年8月から再開し、売り上げの増大に努めた。「ヤクルト届けてネット」の受注状況は、引き続き毎月1万本以上あるという。
さらに、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディの採用活動および働きやすい環境づくりを推進した。ヤクルトレディ(YL)は2023年9月末比で219人減の3万2438人、ヤクルトビューティ(YB)は157人減の3213人だった。
2025年3月期の「ヤクルト1000」の販売本数は1日当たり230万本を計画する。YLによる新規顧客開拓を活発化させるほか、「ヤクルト届けてネット」においてもキャンペーンを実施し新規開拓につなげる。
▲「Yakult(ヤクルト)1000」販売本数2024年1月以降はYLによる新規顧客の獲得を再開し、YL1人当たりの新規獲得件数は月当たり平均1.3件だったが、4月度は平均1.6件に上昇した。また、男性や外国人をを含めたYLの採用についても強化する方針だ。
化粧品事業は、オリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の価値普及活動に重点を置き、内外美容の実現と化粧品愛用者数の増大に努めた。
具体的には、基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズから、2023年4月に「ラクトデュウS.E.ローション1」をリニューアルした。高機能基礎化粧品「パラビオ」シリーズからは、2023年11月と今年1月にリニューアル品を中心としたスキンケア商品計7品を投入した。両シリーズについて、タレントの森高千里、IKKOを起用したテレビCMを放送し、認知向上を目指した。その結果、化粧品事行の売上高は同0.8%増の66億3100万円だった。
三谷亮太宅配営業部長は「ヤクルト1000」の販売について、「2024年1月からYLによる新規営業を積極化させたが、生産体制に不安を抱えつつの営業だったことに加え、コロナ禍で新規営業を控えたこともあり、思うような結果につながっていない。4月以降は基本トークを見直し、力を注ぐことで1日当たり230万本を達成したい」と話した。