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2023.11.13

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<BtoB輸送> セイノーホールディングス 、執行役員 経営企画室担当 神谷敏郎氏 持続可能な物流網づくりに貢献

神谷敏郎氏



BtoB輸送などの物流事業を手掛けるセイノーホールディングスは、物流の24年問題に対し、自社の輸送の見直しなどを進めつつ、運送業界全体で持続可能な物流網づくりに貢献していく方針だ。2024年問題の対策のほか、BtoC配送への参入などについて、執行役員・経営企画室の神谷敏郎氏に話を聞いた。





3分野を主力に推進


─御社から見る24年問題の影響とは

2024年問題を分かりやすくいうと「運行」「荷役」「待機」などに充てられる時間が短くなるということ。だから、トータルで効率化することが必須となってくる。
 
ただ、BtoB輸送事業者が行う中身は各社で異なる。当社は「特積み」「ロジ」「貸切輸送」の三つを主に進めていく計画だ。
 
「特積み」は、不特定多数の荷主の貨物を1台の車両にまとめて輸送するもの。これは、大手運送会社が担っており、当社の主力事業でもある。
 
「特積み」は長距離輸送をどのように運ぶかが鍵を握る。ただ、24年問題で走行できる範囲は限られる。つまり、社内外との連携戦略が非常に重要になるため、ここに重点を置いて改善を図っている。
 
そして、24年問題は労働時間の制限だけでなく、働き手が少ないことも大きな課題となる。だからこそモーダルシフトは必須で、鉄道や船舶などを織り交ぜた配送が必要だ。
 
「ロジ」においては、ドライバーと現場で作業を分離させる取り組みを進めている。ドライバーは運行に時間をかけることに集中してもらい、荷役は現場対応にするといった具合だ。これは、従来から実施しているため、大きな問題はないが、社会環境の変化に対応するためにも、今以上に取り組んでいく必要はある。
 
「貸切輸送」は、大手企業として輸送配送のプラットフォーム構築を検討している。その第一歩として、個人や企業への配送を行うラストワンマイルから、都市間の輸送などを行うトラックとお客さまが届けたい荷物をマッチングする車両手配サービスを手掛ける「ハコベル」に2022年6月に出資した。
 
「貸切輸送」の場合、1社完結での輸送が基本となっている。ただ、24年問題によって1社完結が難しくなることも視野に入れないといけない。運べない場合を想定し、先行して荷物をつなぐプラットフォームの構築が大切となる。積み替え拠点をどうするのかも同様だ。
 
これらは、24年問題の動きを見ながら、徐々に明確になっていくだろうが、先行して対応を進めていきたいと考えている。
 
─改善を進めていく中で見えてきた課題はあるか。
 
BtoBで見ると、待機時間対策の成果が表面化した。決められた時間に来るという待機時間削減のメリットはあるが、それに合わせて配車計画を組むのは容易ではなく、完全な課題解決には至っていない。

伸長市場は注視


 
─BtoC配送への参入はどうか
 
当社の子会社である地区宅便は、ダイレクトメール(DM)などのメール便事業を手掛けている。自社で配送網を持ち、徒歩や自転車で環境に配慮した「Green(グリーン)物流」を強みに事業展開している。7月には、小荷物の配送サービス「コニポス」を新たに展開するなど、自社のリソースを最大限に生かす取り組みをしている。
 
当社としてはBtoC領域において、従来型の宅配便を強化していくのは難しいだろうが、伸びている市場に対して、何かできるところがあることを前提に市況を見ている。

問題を好機に


 
─今後の施策については
 
24年問題を契機に、当社には、運送業界全体の持続可能な物流の基盤作りに貢献していく必要がある。前述したプラットフォーム構築なども含めた取り組みだ。
 
また、これからは、受け身ではなく、お客さまの困りごとなどに寄り添った提案型のロジスティクスを目指していかないといけない。運送業界は価格競争力も必要だが、価格に匹敵する提案力の強化もこれからは必要だ。
 
また、これまでM&Aを積極的にやってきたが、今後も継続して行っていく予定だ。
 
当社としては、24年問題は大きな転換期であり、ビジネスチャンスだと思っている。物流の変革が始動しているため、新たなビジネスモデルを作る良い機会だ。人手不足の問題など含めて、新たなビジネスの構築にチャンレンジしていく。




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