スクロールが5月8日に公表した2024年3月期連結決算は、売上高が前期比1.5%減の798億2600万円だった。通販事業の売上高は、同2.2%減の391億6500万円。通販支援を手がけるソリューション事業の売上高は、同17.0%増の249億9200万円となった。
通販事業については、販売価格のコントロールや商品供給率の改善に加え、カタログ用紙の使用量削減といった販促費の上昇抑制や物流効率の改善など、事業効率の最大化に注力したという。受注は落ち込んだが、セグメント利益は前期と同水準の53億6700万円となった。
ソリューション事業では、スクロール360が手がける物流代行において、新規顧客の獲得に向けた営業活動や新サービスメニューの開発、物流センターの効率改善などに取り組んでいる。スクロール360は2024年4月11日付で、多言語同時通訳を強みとしたコールセンター業務を手がけるビーボーンの全株式を取得した。
後払い決済のキャッチボールは、新規クライアントの稼働に伴い取扱高が堅調に推移した。マーケティングサポートについては、アフィリエイトサービスの取り扱いジャンルの拡充などが奏功し、好調に推移した。セグメント利益は同67.4%増の12億1400万円となった。
eコマース事業の売上高は、同20.5%減の159億4200万円となった。ナチュラムが手がけるアウトドア・キャンプ用品については、市場が縮小し需給バランスが悪化した影響で販売が不調となった。AXESが手がけるブランド商材においても、実店舗や公式店舗を含めた市場競争が激化したことにより受注数が落ち込んだ。セグメント損益は11億2900万円の損失(前期は3100万円のセグメント利益)となった。
連結業績における営業利益は同13.2%減の53億1300万円、経常利益は同11.0%減の55億1200万円、当期純利益は同12.5%減の36億4900万円だった。
2025年3月期の連結業績予想は、売上高が同0.2%増の800億円、営業利益が同12.9%増の60億円、経常利益が同12.5%増の62億円を計画している。