ZOZOは5月9日、ファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」をリニューアルした。AIを活用したファッションジャンル診断やメークコンテンツを追加し、パーソナライズした情報を提案する。「ZOZOTOWN」との連携を深め、購入の促進にもつなげたい考えだ。
「WEAR」を「WEAR by ZOZO」としてリニューアルした。具体的な内容として、(1)独自データとAIを活用したファッションジャンル診断により、ユーザーの「好み」や「似合う」を数値化・可視化する(2)ARを活用したメークコンテンツを追加(3)「ZOZOTOWN」との連携を強化─を挙げた。事業拡大にあたり、「服を買いたい」の前段階で顧客とのコンタクトを図る狙いだ。
リニューアルの背景には、同社が2022年12月に開設したパーソナルスタイリング体験施設「niaulab by ZOZO(似合うラボ)」で得たノウハウがある。
「リアルの場で顧客一人一人に向き合い、『似合う』を研究してきた。『好みのジャンル(ファッションの系統)』『与えたい印象』などの要素に分けた知見を、コーディネートの提案に生かしている」(澤田宏太郎CEO)と説明した。
「似合うラボ」を体験した1000人の行動変容(体験から30日間)については、「ZOZOTOWN」への訪問頻度が約1.5倍、購入金額が約2倍となったという。
「『似合うラボ』を提供したことで、従来の広告手法ではなかなか出せないようなポジティブな結果が出た」(同)と手応えを感じている。
新機能として、メークの画像や動画投稿を開始した。使用したアイテムは「ZOZOCOSME」で購入ができる。ARを活用し、投稿したフルメークを自分の顔で試着することも可能だ。
「ZOZOTOWN」のIDと連携することで、お気に入り登録しているブランドやショップのコーディネートや、過去に購入やお気に入り登録したアイテムを使用したコーディネートが探しやすくなるという。
AI活用の方針については、「機能が多くセンシティブな『ZOZOTOWN』にいきなりAIを入れるリスクを踏まえ、まずは『WEAR by ZOZO』から活用を始める。『ZOZOTOWN』でもAIを活用するつもりだが、時期についての確証はない」(澤田CEO)と話した。
2013年に開設した「WEAR」は、現時点で累計1700万ダウンロードを超える。インフルエンサーや一般ユーザーによる投稿は1400万件以上。