ファンケルグループのファンケル美健(本社神奈川県)は7月24日、サプリメントの基幹工場である「三島工場」の見学ツアーをリニューアルする。三島工場は、ファンケル・アテニアのサプリのメイン工場で、キリングループのOEM生産も担っているという。本紙はこのほど、機会を得て、三島工場の生産現場を取材した。徹底した品質管理体制が際立っていた。
1日最大1085万粒生産可
静岡の三島工場は2021年4月、サプリ専用工場として竣工したという。
ファンケルの2019年度のサプリ売上高は、5年で1.5倍に成長した。さらなる成長・拡大に向けた生産能力の増強や、急激な需要変動への対応力強化を目的に、三島工場を作ったという。
三島工場の延床面積は、3万715平方メートルで、ファンケルグループでも最大だという。サプリは1日最大1085万粒(3.1トン)、アルミ袋製品は1日最大6万袋の生産が可能(2024年3月時点)だとしている。
徹底した品質管理
GMP認証を取得しているのはもちろんのこと、医療品も生産可能な空調管理を行っているという。
異物混入防止策として、防虫管理・温度管理は、入出倉庫に至るまで行っている。原料は開梱後にエアシャワーを通して、生産エリアに持ち込むのだという。
生体認証を導入して、製造エリアへの立ち入りを制限するなど、意図的な異物混入を防ぐフードディフェンス体制を築いている。
原料・製造ロットごとの検査や、製造委託先工場の管理(定期的な監査)なども実施。徹底した品質管理体制を整えているそうだ。
「安心・安全」楽しく伝える
同工場の見学ツアーの受け入れは2022年3月から行ってきた。工場見学を通して、同社のサプリメント製造における安心・安全なものづくりを顧客に伝えてきたという。
今回行った、工場見学のリニューアルでは、より幅広い層の人に工場見学を楽しんでもらえるよう、見学ツアーのルートの掲示物の追加設置などを行ったそうだ。
三島工場限定のオリジナルキャラクター「タンクリーン」も、新たに作ったという。オリジナルキャラクターが見学ツアーを案内する構成で、サプリの安心・安全な製造工程を楽しく、分かりやすく伝えていくという。若い世代も親しみを持ってツアーに参加できるように工夫したとしている。トリックアートなど、記念撮影スポットも用意。オンラインの見学ツアーも展開している。
同社のサプリメントの特徴である「体内効率設計」を、視覚的に体験できるよう、簡易的な実験コーナーも設置している。
同コーナーでは、サプリメントが崩壊する様子を紹介。個々の成分の持続性や吸収性、配合バランスなどを研究し、製品設計に取り組んでいることを伝える狙いがあるという。
今後は全国の工場で見学ツアーを順次リニューアルし、同社の製品製造におけるこだわりをより多くの人に伝えていくとしている。
地域活性化にも貢献していくという。さらなる事業拡大に伴う雇用創出も図っていく。地域団体・地元学生などを招いての見学会なども実施していくという。