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2024.08.12

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【トップインタビュー】SL Creations 佐藤健社長 「高級ラインのサブスクが好調」

佐藤健氏


食品宅配のSL Creations(エスエル・クリエーションズ、本社東京都、佐藤健社長)は、冷凍食品の高級ライン「Z’s MENU(ジーズメニュー)」のサブスクが好調なほか、オフィスで働く従業員向けに販売する常備型社食事業「Office Premium Frozen(オフィス・プレミアム・フローズン)」が契約数を順調に伸ばしている。男性販売員が約50人に増えるなど、多様な人材確保にも積極的だ。佐藤健社長に今期の状況と新規顧客開拓の施策について聞いた。


──2025年3月期の状況については。

総売り上げでは前期比1.5%増で推移している。当社グループの化粧品ブランド「シュガーレディ化粧品」が今年で30周年を迎え、記念した限定商品の販売が好調だった。限定のコフレやヘッドスパ関連のヒット商品があり、全体の売り上げをけん引した。
 食品では昨年、主力の冷凍食品や年間契約商品の「ミート」を値上げしたものの、契約件数は減少したが、売り上げは前年に比べて上がっている。主力事業が堅調なことに加えて、「Office Premium Frozen(オフィス・プレミアム・フローズン)」(OPF)が上乗せされたことで前年を上回っている。

──オフィス向けが好調と聞く。

すでに1600の契約を超えており、年内に2000契約の達成を目指している。関西・東海・横浜の支店には専従社員を配置しており、本社にも人員を増員し体制を整えた。

OPFに積極的に取り組む販売員は実績につながっており、手応えを感じている。さらなる成長を目指すため、これまで販売員が担っていた配送業務をはじめ、営業も担ってくれる代理店や協業企業の開拓を始めたところだ。男性販売員「SLパートナー」も積極的に登用している。

──「高級ライン「Z’s MENU(ジーズメニュー)」のサブスクを始めた。

当社独自の安全基準をクリアしたブランド肉「4X(フォーエックス)MEAT」を使った年間契約商品の一ジャンルとして始めた。ここ数年、年間契約商品の「ミート」が苦戦している背景には、世帯人数の減少に加え、料理をする人が減ったことがある。「ミート」を契約して、定期的に肉が届いても料理をしない世帯が増えたため契約件数が減少していた。

この対策として23年から「高級ライン「Z’s MENU(ジーズメニュー)」に「4Xミート」を使った商品が毎月定期的に届くサブスクを始めた。冷凍食品なのでレンジや湯せんで気軽に利用ができる。月額3432円で二つの商品が届く仕組みだ。

初年度は1227契約を獲得でき手応えがあったので、今年は2人用に加えて1人用も発売した。現段階で昨年度の2倍の契約を獲得できている。日常的な利用に加え、ハレの日需要にも対応していきたい。

──新規顧客開拓の状況については。
 
1万人の新規客獲得を目指しているが、現状で達成率は4割に留まっている。コロナ禍を境に、減少している無料試食会の開催回数を増やす方針のもと、新規客を1人連れてきてもらうようにしているが、思うように開催回数は増えていない。コロナ禍はパーティーを実施しなくても注文が入ったため、その習慣に慣れてしまったことが課題だ。

──男性の販売員の状況については。

各支店長にはOPFの対応も踏まえて、男性販売員を増やす方針を伝えている。東海地区では、OPFに加えて、通常の研修会にも男性販売員が参加し始める地域も出てきた。私自身の思いとしては、男性販売員の登用をきっかけに、日本中の男性に料理に関心を持ってもらいたい。




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