「楽天市場」は2023年10月以降のルール変更を受け、多くのユーザーがふるさと納税の利用を前倒したことにより、純第3四半の流通総額が二桁成長となった。「楽天トラベル」は夏の商戦期の需要を取り込み、純第3四半期の国内宿泊流通総額は、コロナ禍前の2019年第3四半期と比べても39.6%増と拡大している。
三木谷浩史社長は、「脱コロナということで昨年までも(流通総額は)結構あったが、それでも(純第3四半期の)国内EC流通総額が15.7%増となり、トラベルが(2019年純第3四半期比で)約40%増と伸びている」と力強い成長を強調した。
「楽天モバイル」の契約回線数は542万件にまで増加した。通信の品質向上やマーケティングの強化により、解約率が低下し、契約数が拡大している。増加基調を維持し、2024年末までに800万~1000万件の契約数を目指している。
将来的に「楽天モバイル」が楽天エコシステムの中心的な存在になるとみている。「楽天モバイル」と「楽天市場」などのグループサービスのシナジーは今後、さらに強化する方針だ。
シナジー強化の一環として、「楽天スーパーポイントアッププログラム(SPU)」の条件を変更し、今年12月から楽天モバイルユーザーのポイント付与率を毎日5倍にする。
三木谷社長は、「毎日5倍付くのはかなり魅力的になる。将来的に1500万~2000万人が楽天モバイルを使うようになると、それだけで『楽天市場』の流通総額が30~50%上がっていくことになる。モバイルとのシナジーは大きい」と話した。
楽天モバイルユーザー(1年以上の利用者)による「楽天市場」の流通総額は、年間で60%増加するというデータもある。