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2024.10.07

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【トップ営業マンに聞く】 <「初訪問」部門営業成績1位を記録> メッドコミュニケーションズ 千葉支店 工藤天宏さん 「自然な家族の話が関係構築や決め手に」

工藤天宏さん


リフォーム訪販のメッドコミュニケーションズ(本社東京都、佐々木洋寧社長)の千葉支店で働く工藤天宏さんは、入社3年目の優秀な営業マンだ。入社2年目の時点で全社員の中から、「初訪問」部門の営業成績(売り上げ)1位を記録した実績を持つという。工藤さんは、「家族」に対する想いを強く持っているのだそうだ。営業先でも必ず顧客に、「家族」の話をしてもらうのだという。「家族」の話がきっかけで、顧客との関係が深まることもの少なくない。リフォーム商材を購入してもらう上で、決め手になることもあるという。工藤さんに、営業の際のこだわりについて聞いた。




初訪問部門で1位に


─どんな営業が得意ですか。


当社では営業を、「初訪問」と「再訪問」の二つに分類しています。私は、「初訪問」が得意です。2023年12月期の営業成績では、全社員中トップになりました。

「初訪問」では、年1回の点検のアポイントを取ったお客さまのお宅に訪問します。お客さまが過去に購入した製品の点検をしつつ、新しいニーズをヒアリングして、提案を行う営業です。

「再訪問」は、「初訪問」の提案内容をクロージングする営業です。

私が得意な商材は、屋根や外壁、床下などのリフォームです。

昨年の営業実績としては、私個人の年間の売上高が、3億4000万円でした。1カ月あたり、3000万円から4000万円の売り上げを上げています。月間の成約件数としては15~20件です。

必ず「家族」の話をする


─「初訪問」の営業をするときに、こだわっていることはどんなことですか。

私は必ず、お客さまに、家族の話をしてもらうようにしています。自分の家族のことを誇りに思ってもらうことが大事です。「家族の家を守りたい」と強く思ってもらうことで、リフォームの提案を聞いてもらいやすい雰囲気を作っています。

例えば、お客さまが、「自分の息子には〇〇をやり遂げてもらいたかったが、道半ばであきらめてしまった」という後悔の気持ちを持っているとします。そんな時は、「お父さんとしても、息子さんに〇〇をやり遂げてもらおうと頑張られたんだと思います」と、まずはお客さんが努力したことを尊重する姿勢を示すようにしています。自分の過去の経験と近しいエピソードがあれば、必ず話すようにしています。

その上で、「息子さんにその時、そうやって厳しい教育をしたおかげで、今の息子さんがあり、お孫さんもいるんですよ」と、お客さまの今の状況が、努力した結果であることもお伝えするようにしています。お客さまに、家族と自分のことを誇りに思ってもらうのが大事なのです。

お客さまの過去や家族の話に共感すると、お客さまも私に共感してくれて、提案を聞いてくれるようになります。

お客さまに家族の話をしてもらうタイミングが大事です。点検している中で、お客さまにお話をしてもらうのですが、違和感なく、家族の話の流れを作っていきます。

例えば、エコキュートの点検であれば、「エコキュートは普段何人で使っていますか」といった会話が、自然に家族のことを話してもらうきっかけになります。

大事なことは、私がお客さまにあれこれ聞くのではなく、お客さまに、自分で話したくなってもらうということです。

海外遠征の資金をかき集め


─工藤さんの「家族」についても教えて下さい。

私は、両親から、どの家族よりも愛されて育ったと思っています。

大学まではサッカーに打ち込んでいました。高校の時には、ポルトガルのユースのチームと試合をするために、海外遠征もしました。

ただ、私の家は決して裕福とは言えませんでした。海外遠征にかかるお金も高額で、友人の中には金銭面を理由に遠征をあきらめる人もいました。

そんな中でも、私の両親はお金を集めて、私を海外遠征に行かせてくれました。

そんな打ち込んでいたサッカーですが、高校の大事な大会の前に、骨折してしまい、試合に出られなかったことがありました。せっかく海外まで行かせてくれたのに、大きな舞台で活躍できなかったことが、本当に悔しかったです。

それでも、大学まで行かせてくれて、大学でもサッカーをさせてくれた両親には、いつか恩返しをしたいと考えていました。

そんな家族への想いが、メッドコミュニケーションズに入社して形になり、大きな営業成績を残す力になりました。

営業成績1位をとれたのは、両親のおかげです。

今では、私の弟も、メッドコミュニケーションズに入社しています。

─後輩の指導も積極的に行っていると聞きました。どんな指導が効果的ですか。

現在、自分のいる千葉支店には8人の後輩がいます。これまでは、私の成功体験を基に、「こういう時にはこういう提案をするとうまくいく」といった指導をしていました。

ただ、あるとき後輩の一人から、「工藤さんにはできるかもしれないけれど、私にはできない」と言われました。その時、衝撃が走りました。

私は、私と同じようにしてもできなかった後輩の気持ちが分からなかったのです。私にはその方法が最善策だと思われたのですが、人によっては最善策だとは思えないということが分かりました。

人によって体験してきたことは違います。その人の重ねてきた体験に合わせて指導しようと考えました。それ以来、一人一人に違う指導をしています。

激昂から継続顧客へ


─心に残っているお客さまとのエピソードはありますか。

あるお客さまを訪問した際、訪問してインターホンを押すと、出会い頭に激昂されました。どうやら、前に担当していたリフォームの会社で、引き継ぎがうまくされていなかったことに、怒っていたようでした。前の会社の担当者は、前のリフォームが完了した際に、「年に1度訪問します」と言ったのに、その後来なかったそうです。

そのお客さまは、ボクシンググローブを製造する会社を経営されていて、過去にガンになった経験がある人でした。

私は、「ボクシングのグローブを作ってきた気持ちがあったから、がんと闘って勝つことができたのですね」と話しました。その後、私のことを信頼してくれるようになり、継続的にお会いする関係になりました。

強い怒りの感情を持っているお客さまは、逆にありがたいと思っています。お客さまのお話を聞くチャンスがあるからです。

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