同社は千趣会本社のある大阪と千葉、福岡に拠点を持つ。電話応対の最大席数は150席で、長く勤務するベテランが多いという。通販事業「ベルメゾン」の中にも定期便やギフトといった形態が異なるため、担当を分けた教育プログラムを設けている。
「教育はベテランの人が実務を通して新人を教育するOJT形式をとっている。長く働ける環境作りにも注力している」(大阪コールセンターのセンター長・白石泰祥氏)と説明した。
同社で大切にしているのは、「顧客に寄り添う」姿勢だ。「スピーディーに済ませたい」「悩みについてしっかり相談したい」といった個別のニーズがあることから、臨機応変な対応を心がけているという。
「最近はECサイトの利用が増えてきて、スピーディーな対応が求められている。無駄な案内を省いた『ストレスフリー』を提供することで、『心地の良い聴後感』につなげている」(同)と話した。
丁寧な「寄り添い」の対応として、「この日に商品を届けてほしい」といったニーズに答えた事例がある。複数の商品を注文した場合、細かい指定をするのがシステム上で難しい場合があるという。そこで、コールセンターから直接調整をすることで、顧客の要望に応えることができた。
「自社運営のメリットは、本社と連携しやすい点にある。理論だけで改善しようと考えがちにだが、現場の『人』の視点があってこその取り組みもできている」(同)と言う。
今後は、オペレーターを支援するAIの活用を検討していきたい考えだ。
「人でしかできない部分があるが、データとしての品質向上やオペレーターの負担減など、AIによる整理や分析をしていきたい」(同)と話した。