あじかんでは「ごぼう茶」の製造・販売などを行っている。通販を中心に、ティーバッグタイプのごぼう茶を展開してきたが、2024年11月には、ペットボトルタイプのごぼう茶も発売した。これまでのメイン顧客である高齢者だけでなく、若年層への認知拡大にも注力し始めている。ごぼう茶の特徴と、今後の展開について、ヘルスフード事業部ダイレクトマーケティング部長の西村隆司氏に話を聞いた。
当社の主力商品であるごぼう茶を発売したのは、10年12月だった。今年で発売15周年を迎える。14年に製法特許を取得した。生のごぼうを乾燥させてから焙煎するという製法を採用している。そのため、甘味成分を増加させることが可能だ。一方で、有効成分も残している。一般的にごぼう茶と言うと、「生臭い」「おいしくない」といったイメージを持つ人も少なくない。そういったイメージを払拭できる商品だと思う。

▲主力商品の「ごぼう茶」
焙煎というと、コーヒーの焙煎を想像する人が多いかもしれない。ごぼう茶の焙煎も、コーヒーと同様、非常に手のかかる作業だ。天候や気温などの変化を考慮しつつ、人間の目で見ながら少しずつ火にかける秒数を変えている。
当社ではごぼう茶の「焙煎士」という社内資格を設けており、現在8人の焙煎士がいる。規定の時間内に、同じ品質で焙煎できるかという試験を行っている。焙煎士には手当ても設けている。
原料となるごぼうは、国内の契約農家のものをブレンドしている。当初は、単一農園でやっていたが、単一では増産するのが難しい。そこで現在では、複数の農家のごぼうをブレンドする形を取っている。
ごぼう茶に他の成分をブレンドした商品も人気だ。そういった商品も含め、現在は7種類のごぼう茶を販売している。通販の売り上げは、そのほとんどをごぼう茶が占めている。
新たにペットボトルを
当社が販売するごぼう茶はティーバッグタイプで、煮出して作るのが一般的だ。人によっては、「作るのが大変」と思うかもしれない。そういった悩みを解決するため、ペットボトルタイプを発売した。
ごぼう茶は冷やしても飲めるが、煮出して作るため、「温かい」というイメージが強く、冬によく売れる。過去に夏用にCMを作ったことがあったが、反応は良くなかった。
今回のペットボトルタイプで、「冷たい」というイメージが定着すれば、通年で売り上げが期待できる。
商品の特性上、卸との相性も良い。これまで取り扱いがなかった、コンビニなどに展開できれば、認知も拡大していくはずだ。
──今後の展開について教えてほしい。
当社の軸は、「ごぼう」にあると考えている。今後、新商品を開発していくに当たっても、そのごぼうという軸はぶれないようにしていく。
そのため、「次々と新商品を出す」ということにはならないと思うが、着実にごぼうの良さを広め、ごぼうの価値を高めていきたいと考えている。
2024年10月には、「ごぼうラボ」というサイトを立ち上げた。このサイトでは、あまり知られていないごぼうの効果など、健康に関する情報を発信している。今後は、サイトやSNSなども活用し、ごぼうの市場価値を高めていきたい。