破産管財人の佐藤至弁護士によると、井上通商は、台湾や香港、中国などのアジア地域から洋服や雑貨などを輸入し、国内の卸売業者へ販売していた。2020年1月期には売上高約120億円を計上していたという。
2020年に「楽天SOY」を受賞した際には、EC売り上げが前期比10倍に伸長したことなどを、本紙取材に対し明らかにしていた。2020年9月に発売した「本革お掃除スリッパ」という商品は、累計3万足以上売れたことなども話していた。
一方で、新型コロナの感染拡大により売り上げが大幅に減少。そんな中、同社の従業員が運営する別の会社との架空取引が明らかになり、取引先からの信用を失った。取引先との取引が停止するなどしたことから、2024年1月期の売上高は、約20億円にまで落ち込んだとしている。
同社の負債総額は約40億円に上るとしている。同社のEC事業は、事業再編などを行うTHESTANDARDGROUP(ザ・スタンダードグループ、本社福岡県)が事業譲受していた。2月28日付でTHESTANDARDGROUPは、現在の「HAPTIC」ブランドの運営状況について明らかにしていない。