日本では年間で約2232万トンの食品由来の廃棄物が排出されている。その中には、まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品ロスが約472万トンもある。クラダシは、その差分となる加工工程で生まれる食品の残りかすなどの食品廃棄物である約1760万トンに着目した。
「当社としても多くのメーカーを支援していく中で、規格外野菜、製造工程での食品の残りかす、未利用原材料の処分に困るという声をいただいていた。そこで、この『かくれフードロス』の素材を活用できないかと考えた。世界大会などで受賞経験のあるパティシエに『かくれフードロス』素材を活用したスイーツを作ってもらうことで、唯一無二のスイーツブランドを展開できると思った」(フードビジネスカンパニーブランド事業部部長・平岡裕司氏)と話す。
「GREEN DOLCE」は1箱5個入りの焼き菓子セットを2種類用意した。商品開発には、日本茶軸のコース専門店「VERT(ヴェール)」のパティシエである田中俊大シェフと、菓子ブランド「amazoonia(アマゾニア)」のパティシエである松田みどりシェフが参加した。日本酒の絞り粕やワインの澱(おり)などを使用している。
商品は数量限定で販売する。販売開始にあたって、(1)クラダシが持つ約59万人の会員に情報を発信(2)ECサイト「Kuradashi」のトップページに情報を掲載(3)インフルエンサーマーケティング(4)LP(ランディングページ)の作成─などで購入につなげていく計画だ。
「今回、LPもインフルエンサーマーケティングによる投稿内容も特段『サステナブル』『食品ロス』だけを全面に打ち出すものにはしていない。もちろんそのことも伝えるが、『有名パティシエとコラボした商品』だということを伝えて、当社を知らない人からの興味関心を引きつけていきたい。『サステナブル』の訴求だけでは、当社を知らない人からの購入につながりにくいと考えた」(同)と話す。