「山野愛子どろんこ美容」ブランドで化粧品のサロン販売を展開するヤマノビューティメイトグループは2022年、ウェブマーケティングのカンリーが提供するグーグルマップの一元管理システム「Canly(カンリー)」を導入した。ヤマノの本社と各サロンの店舗では、このシステムを使って、グーグルマップ上に、サロンや新商品、美容情報などを登録する取り組みを行っている。その結果、グーグルマップを目にしてサロンの予約をする顧客が増えているという。
カンリーが提供するのは、実店舗の集客を一元管理できるツールだ。グーグルマップやホームページに掲載する情報を、一つの管理画面にひも付けて管理できる。
グーグルマップでは、1店舗につき、1アカウントを保有することができる。グーグルに、店舗のオーナーであることを申請すると、店舗の公式アカウントとして、グーグルマップ上に情報を配信することができるという。
カンリーのシステムを使うと、複数の店舗の情報を一括で更新できるという。グーグルマップ上に投稿された、各店舗の口コミ(レビュー)について、各店舗に返信の権限を付与することも可能。本社だけが返信できるように管理することもできるという。
ヤマノでは、代理店が運営するサロンの中から、「デジタル施策推進代理店」を募っている。デジタル施策推進代理店は、グーグルマップにサロン情報を投稿する施策に協力するのだという。手を挙げた180店舗の代理店のサロンのアカウントに対して、ヤマノ本社では週2回、新商品情報や美容情報などを投稿している。
山野の各サロンは、グーグルマップの店舗のアカウントに、サロンの営業時間を記載したり、写真をたくさん載せたりしているという。サロンの顧客に対しても、グーグルマップのサロンの情報欄に、口コミを投稿するように促しているそうだ。
ヤマノでは、カンリーのシステム導入に当たって、参加する代理店を対象にした説明会を、Zoomを使って20回以上開催。グーグルマップに投稿する内容や頻度などについて、繰り返し説明を行ったという。説明会では、カンリーの担当者も複数回登壇したとしている。
ヤマノでは、「カンリーのカスタマーサポートの担当者が支援してくれたおかげで、デジタルツールに不慣れな代理店も、積極的にグーグルマップに情報を投稿できるようになった。代理店は、サロンの運営やお客さまの接客で、ウェブの情報更新まで手が回らないことが多いが、カンリーのシステムを使えば、本社が定期的に各サロンの情報を更新することができる。代理店のサポートにつながっている」(広報PR部倉本淑子マネージャー)と話す。
カンリーでは、「サロンなどの実店舗を持つ企業にとって、グーグルマップは『次のホームページ』だと言っていい。チラシをポスティングした時に、顧客はグーグルマップで情報を調べる時代になった。MEO対策をしないと、ウェブ集客は難しくなるだろう」(カンリー事業本部マーケティング部神田大成部長)と話している。