健康食品通販のインシップが販売する「ノコギリヤシ」の新聞広告表示が頻尿改善効果を想起させるのは、景品表示法の優良誤認表示に当たるとして、適格消費者団体「特定非営利活動法人・消費者ネットおかやま」(所在地岡山市)が広告表示の差し止めを請求していた訴訟で、広島高裁は12月7日の判決で請求を棄却した。
消費者ネットおかやまは、インシップの新聞広告を見た消費者が過大な効果を期待し、治療機会の遅れにつながると問題視。2019年にインシップに改善を申し入れたが、回答を得られなかったため岡山地裁に提訴した。2022年10月の一審判決で請求が棄却され、広島高裁に控訴していた。
広島高裁は判決で、適格消費者団体が事業者に表示の裏付けとなる資料の提出を求められる法的な根拠はなく、提出要求を満たす理由も示されなかったとした。
また、インシップが高裁に提出したヒト臨床試験の資料を踏まえ、ノコギリヤシエキスの頻尿改善効果について、その可能性は否定しきれないと加えた。