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2025.07.11

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【訪販化粧品 トップインタビュー】CPコスメティクス 児玉晃洋社長「手軽なライン開発で若年層開拓」

児玉晃洋氏


化粧品のサロン販売を展開するCPコスメティクス(本社東京都)では2025年3月、若年層の顧客開拓を目的としたスキンケアライン「ソワンクラージュ」を発売した。その結果、4月以降の新規顧客の獲得数が、前年同期比で35%増加しているという。CPコスメティクスの児玉晃洋社長に、顧客の若返り戦略について聞いた。






店舗数は純増


──2025年3月期を振り返っていただきたい。
 
2024年3月に美白ライン「ソワーニュ ホワイトシフト」を5年ぶりにリニューアル発売した。
 
その結果、2024年1~3月の売り上げは大きく伸びた。上半期も店舗数は前年を下回ることなく好調に推移したが、2025年1月から3月は前年の反動を受け売り上げが減少。結果として、2025年3月期は前期比で減収となった。
 
しかし、良かった点もある。KPIである、「サロン店舗数」と「顧客数」は増加した。特に顧客数は、年間を通じて前年比で増加した。
 
サロン数も10店舗を超える純増となった。これは今後の成長につながる、価値ある基盤になると考えている。
 
顧客数の増加の要因は、地道な取り組みや、ブランドファンの増加、スタッフの増員などだ。理想としては年間100~200店舗の増加を目指したい。


まとめ買い促進で物流費抑制


──コロナの影響は?
 
サロン現場はコロナ禍前の雰囲気に完全に戻っていると言える。
 
一方で、物価上昇によるコスト圧迫は感じている。特に人件費と家賃の負担が大きい。
 
メーカーとしては、資材や原料、人件費が高騰する中で、物流や運営といったバックヤード部分でのコストカットで対応している。製品の値上げは行わず価格を据え置きにしている。
 
代理店には、注文回数を減らし、効率的にまとめて注文するよう促している。
 
長期的な目線で「三方良し」の精神で、事業を運営していきたい。当社の製品を専売で扱ってくれる代理店の皆さまを守ることが、われわれの使命だと考えている。


成功体験を積み重ね


──今後の戦略は?
 
今期の大きなテーマは二つだ。顧客数の回復と、世代の若返りだ。現在は、40代後半~50代の顧客が中心だが、若年層との接点を増やしたい。10年先を見据えると、ミドルからシニア層への販売は継続できるが、その先の成長を考えると、若年層との接点を持つことが重要になる。
 
今年の3月には若年層向けの新ブランド「ソワンクラージュ」を発売した。スキンケアとサプリメントの新製品が効果を発揮し、4月1日から5月16日までの1カ月強で、新規顧客数は前年同期比で35%増加した。特に10代から20代の若い世代が圧倒的に増えている。
 
若年層へのアプローチは購入単価が下がる懸念があったが、親子送客が多く、既存顧客が、自分の娘や、息子の配偶者に商品を勧めるケースが多い。
 
結果として、新ブランドをラインで購入いただくケースも多い。
 
現在の10代から20代は美容意識が非常に高い。各サロンには顧客を増やせるだけ増やしてもらいたいと考えている。
 
顧客が増えれば、成功体験となり、それが次のお客さまを作り、成長につながる。
 
その成功体験が薄れないうちに積み重ねてほしい。
 
7月にも、新ブランドから新商品を発売する予定だ。体感性の高い商品を次々と打ち出すことで、ブランドの定着を狙う。8月からはホームケアセットキャンペーンを開始し、サロンスタッフの機運を高めたい。
 
若年層開拓を進めているが、若年層だけにフォーカスするわけではない。当社のメインの目的は生涯顧客を作っていくことだ。ラインアップを拡充し、全世代に向けて提案していく。
 
──ECで販売する計画があると聞いた。
 
まだ構想段階だが、来年にはECでの販売を開始する予定だ。まずは、オープンなサイトではなく、サロンからの紹介によって商品を購入できるクローズドなサイトを構築する。
 
これも生涯顧客を作るために必要な施策であり、代理店やサロンの方々と競合しないようなECの仕組みを構築していく。

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