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2025.07.18

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SBペイメントサービス、EC決済の利用実態を調査 「クレカ」が減少傾向、「PayPay」が拡大

SBペイメントサービスはこのほど、6回目となるECサイトの決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施し、その結果を一部公開した。全てのキャリアのユーザーにおいて、各キャリアが提供するQRコード決済より、「PayPay(オンライン決済)」が利用されていることなどがわかった。

ソフトバンクの子会社であるSBペイメントサービスは、物販、およびデジタルコンテンツ・サービスを提供するECサイトにおける決済手段の利用実態に関するアンケート調査を実施した。調査期間は、2025年5月21日~6月5日。調査対象は、1年以内に物販サイトで商品を購入した10~80代の男女2455人と、1年以内にデジタルコンテンツ・サービスの支払いをした10~80代の男女1857人。

この調査は、2018年度、2020年度、2021年度、2022年度、2024年度に続き、今回が6回目の公開になる。

ECサイトで物販、またはデジタルコンテンツ・サービスの代金を支払う際、よく利用する決済手段についてたずねた問い(複数回答)では、1位は「クレジットカード決済」(52.2%以上)、2位が「PayPay(オンライン決済)」(32.0%以上)、3位が「楽天ペイ(オンライン決済)」(13.3%以上)という結果になった。

 
▲よく利用する決済手段(過去推移)(デジタルコンテンツ・サービス)

過去5回(2018年度、2020年度、2021年度、2022年度、2024年度)の同様の調査の結果と比較したところ、「クレジットカード決済」を利用している人の割合が、2018年から2025年にかけて2~3割減少しており、年々減少傾向にあることが分かった。

一方、「PayPay(オンライン決済)」「楽天ペイ(オンライン決済)」は増加傾向にあり、「クレジットカード決済」を追い越す勢いを見せている。また、物品の購入における「コンビニ決済」「代金引換」と、デジタルコンテンツ・サービスの支払いにおける「口座振替」「Pay-easy決済」も減少傾向にあることが分かった。

よく利用する決済手段を、使用している携帯電話のキャリア別で見ると、物品、またはデジタルコンテンツ・サービスの代金を支払う際、全てのキャリアのユーザーにおいて、「クレジットカード決済」が1位、「PayPay(オンライン決済)」が2位に選ばれた。特にデジタルコンテンツ・サービスの支払い時は、ソフトバンク系ユーザーでは「PayPay(オンライン決済)」(45.3%)が「クレジットカード決済」(45.9%)とほぼ並ぶ形となった。また、NTTドコモ系、KDDI系、楽天モバイルのユーザーにおいては、各キャリアが提供するQRコード決済が3位にランクインする結果となった。

 
▲よく利用する決済手段(携帯キャリア別)(物販)

 


ECサイトで物品を購入する際によく利用する決済手段を、商材別にたずねたところ、衣類・服飾雑貨、日用品・生活用品・ペット関連、食品・飲料などの生活関連消費財の購入では「クレジットカード決済」が1位、次点で「PayPay(オンライン決済)」が約2割利用されている結果となった。また、高単価の商材(家具・インテリア、自動車関連、生活家電・PC・周辺機器)や衣類・服飾雑貨の購入では、「後払い決済」のニーズがあることが分かる結果となった。

 
▲よく利用する決済手段(商材別)(物販)

ゲーム、電子書籍、動画・音楽などのデジタルコンテンツの支払い時においては、「クレジットカード決済」が1位、「PayPay(オンライン決済)」が2位、「キャリア決済」が3位に選ばれており、「キャリア決済」との親和性が他の商材と比べて高いことが分かった。

 
▲オンラインで支払いする際に利用する決済手段(デジタルコンテンツ別)

サービスの支払い時において、チケット、旅行・宿泊では「クレジットカード決済」が74.4%以上と圧倒的な人気で、フードデリバリーでは「クレジットカード決済」の次に「PayPay(オンライン決済)」が37.4%とよく利用されている結果となった。また、保険・証券や公共料金・税金の支払い時には「口座振替」のニーズがあることが分かった。

 
▲オンラインで支払いする際に利用する決済手段(サービス別)

ECサイトでの物品購入時に最も利用する決済手段を男女別にたずねたところ、男女ともに1位は「クレジットカード決済」、2位は「PayPay(オンライン決済)」、3位は「楽天ペイ(オンライン決済)」だった。「d払い」も2.6%以上と上位に選ばれた。

 
デジタルコンテンツ・サービスの支払い時に最も利用する決済手段を男女別にたずねたたところ、男女ともに1位は「クレジットカード決済」、2位は「PayPay(オンライン決済)」、男性3位は「d払い」、女性3位は「楽天ペイ(オンライン決済)」という結果になった。男性には「au PAY(ネット支払い)」も人気で、QRコード決済の高いニーズがあることが分かる結果となった。

 
ECサイトで物品、もしくはデジタルコンテンツ・サービスの代金を支払う際に、よく利用する決済手段がない場合どうするかをたずねたところ、男女ともに56.5%以上が、そのECサイトでは購入せず、離脱する傾向にあることが分かった。また、そのうち44.8%以上の人は、他のECサイトもしくは実店舗で購入する意向があることから、購買意欲が高い人でも決済手段の不足が要因で離脱しており、ユーザーのニーズに応じた決済手段を取りそろえることは、購買率を上げる重要な要素であると言えるとの見解を示した。

 
よく利用するECモールをたずねた問い(複数回答)では、男女ともに過半数の人が「Amazon」と「楽天市場」をよく利用していると回答した。また、「Yahoo!ショッピング」も男女ともに28.4%以上がよく利用しており、男性と比較して女性は「ZOZOTOWN」「Qoo10」「SHEIN」「Temu」の利用率が高い結果となった。

 
物販サイトの利用に関して、2024年と比べてなにか変化があったかをたずねたところ、「少しでも安く買えるECサイトを探して購入するようになった」と回答した割合が全世代で高い傾向となった。また、10~30代で「実店舗での購入よりオンラインでの購入が増えた」人が多い他、20代では「SNS(LINE、Instagramなど)経由でECサイトを利用するようになった」人が15.2%と、若年層でSNSと物販サイトの親和性が高くなってきていることがうかがえる結果となった。

物販サイトでの決済に関して、2024年と比べての変化をたずねたところ、10代では「利用する決済手段の種類が増えた」人が多く、20代では「ECサイトごとに複数の決済手段を使い分けるようになった」「手間なく簡単に支払いできることを重視して選ぶようになった」「決済手段のキャンペーンやポイント還元を重視して選ぶようになった」人が多い結果となった。

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