健康食品や化粧品通販のビタブリッドジャパン(本社東京都)は4月2日、東証グロース市場に新規上場する。同社は、糖の吸収抑制や血糖値の上昇抑制を表示する機能性表示食品「ターミナリアファースト」を主力に、2026年2月期の売上高151億円(前期比19.6%増)を見込んでいる。「当社の顧客には、『最大』よりも『最適』な価値を提供したい」と話す大塚博史社長に、上場後のビジョンや健康食品市場に対する見方を聞いた。
成長投資への通り道
──東証グロース市場に上場が承認された。上場ついて、所感を知りたい。
東証グロース市場への上場は、ビタブリッドジャパンのこれからの第二次成長投資期に必要な一つだった。今回上場が承認されたことは、着実に前に進めていることが分かり良かったと考えている。
──有価証券届出書を見ると、ビタブリッドジャパンの事業のうち、「ターミナリアファースト」の売り上げが7割を占め、依存度が高い特徴が見られる。化粧品や別のサプリメントがある中で、この構成比になっている背景を知りたい。
健康食品と化粧品では、お客さまの購買行動を見ても、実際の売り上げの積み上がり方を見ても、有意な違いがあると考えている。
当社では、健康食品や化粧品の市場について、流行よりも、論理的に明瞭な定番性が求められていると考えている。
健康食品の商材の特徴として、商品に論理的なメリットがあれば、定着性は高まる。それによって、自然に「ターミナリアファースト」の売り上げが、他の製品に比べて積み上がった結果だと考えている。
ただ、当社では、2年前にも、1年前にも、機能性表示食品の新商品発売を続けており、いずれも急成長している。「ターミナリアファースト」が大きな割合を占める売上構成の比率は、今後変わっていく可能性はあると考えている。
いずれにしても、これからも各分野で可能性が広がるような製品やサービスを開発、ローンチしていく予定だ。
法規制はポジティブ
──健康食品通販EC市場について、聞きたい。紅麹問題以降、新規顧客の獲得効率は引き続き悪化した状態が続いているか。市場の中でビタブリッドジャパンが掲げるビジョンを知りたい。
「最大よりも最適な価値を多く提供できている企業でありたい」。これは当社のビジョンであり、今後も一貫して目指していく。
広告経由の新規顧客の効率悪化の傾向は、現在は特にはない。
通販事業の規模が大きくなれば、もともと当社が広告配信してきた媒体を見ているお客さまとは異なるお客さまとの出会いも、必要になる。
これまでリーチしてこなかったお客さまと出会う手前の目標であるCPA(コスト・パー・アクション=顧客獲得単価)が変わるのは当然だ。当社では、それは悪化の傾向とは捉えていない。
引き続き必要なのは、LTV(ライフ・タイム・バリュー)を含めた採算性を見ていくべきだと考えている。その面で見ても、現在のところ問題となる傾向は見当たらない。
新規顧客の獲得効率の悪化を感じる同業他社がいる場合、法規制に対する捉え方が当社と異なるのかもしれない。
当社としては、業界健全化のための法規制は、ポジティブな要素として捉えている。
市場の動向のすべてについては、ここではシンプルには語れないが、当社としては、これからも「顧客創造」の視点で進んでいく。
これからも、手に取りやすさを意識して、商品開発や販売方法を工夫していく。
──既存顧客に加えて、新たな世代の顧客獲得に向けて、どのような取り組みをしていくか?
世代意識はそこまでしていない。市場の「ニーズ・ウォンツ」に合わせた製品を開発してきた結果、今も幅広い世代にお客さまになっていただいている。
当社は主に、顧客を年代などの属性別に考える「デモグラフィック」を意識したマーケティングというよりも、価値観で分析する「サイコグラフィック」で市場を見ることが多い。
現在、新規のお客さまとの出会いは、広告配信プラットフォームなどの既存メディアがまだ中心だ。
ただ、ドラッグストアなどの店頭や、ライブコマースでの接点も増えている。ユーザーが検索にAIを利用して流入につながるケースも、割合でいえば微々たるものだが、今後は増えていくものと考えている。
すべてはお客さまとのマッチングを、数字で見ながら進めていく。結局は、そのマッチ度がより高いほうに、投資を集中していくことになるだろう。
