「包装前面栄養表示」は、専用マークなどの栄養成分に関する分かりやすい情報を、加工食品のパッケージの前面に表示するもの。海外では、行われている事例が多くあるという。
国内では現在、事業者の自主的な取り組みとして、1製品当たりのエネルギーの含有量などを表示しているケースが多い。ただ、消費者庁が行った調査では、食品の購入時などに、栄養成分表示を、「全く参考にしていない」とする消費者が、全体の37%いることが分かったという。
栄養成分表示を参考にしていない人からは、「ネットだと表示されない」「見ても分からないし役に立たない」といった声が聞かれたとしている。
第2回会合では、「包装前面栄養表示」について、「表示する成分」「表示する様式」「表示する仕組みの位置づけ」の三つのポイントで、議論が進んだ。「表示する仕組みの位置づけ」について、「包装前面栄養表示」を事業者に義務付けるのではなく、「あくまで事業者による任意の表示とする」という方向で議論が進んだ。
「包装前面栄養表示」が任意となる場合、法改正などは行われず、消費者庁が啓発とPRを行うにとどまる可能性があるという。委員からは、その場合、「『包装前面栄養表示』をどこまで消費者や事業者に浸透させられるかも検討すべきだ」といった声も上がった。
「表示する成分」については、「エネルギー」「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」─の五つを表示する方向性になりそうだという。
「表示する様式」については、タイやイタリアに倣い、1製品当たりに含まれる成分の含有量を、パーセントで示す案が有力となりそうだ。