一冊の本が変えた運命
ーー猪股さんがエステティシャンを目指した原点はどこにあるのですか。
実は、きっかけは中学生の時に読んだ「13歳のハローワーク」という本でした。私は福島県の田舎育ちで、当時は美容に関する情報も少なかったのですが、その本で「エステティシャン」という仕事を知り、直感的に「なんて素敵だろう」と思いました。
それから迷わず仙台の専門学校へ進み、この道一本でやってきました。
--数多くのサロンがある中で、なぜ「たかの友梨」を選んだのですか?
最初は「大手なら安心」という理由もありましたが、決定打はたかの友梨院長の著書でした。「恋愛は好きになるほど苦しくなるが、仕事は頑張るほど自分に返ってくる。だから仕事はやめられない」という一節がありました。10代の私には、それが衝撃的でした。「こんな風にかっこよく自立した女性になりたい」と、院長の哲学に触れて入社を決めました。
怪我が「言葉の力」を磨いた
ーー入社1年目で店長に抜擢されたと聞きました。早い昇進ですが、順風満帆だったのでしょうか。
実は入社直後にけがをしてしまい、数カ月間、施術ができない時期がありました。
会社からはフロント業務への職種変更を提案されました。エステティシャンとして入ったのに技術が提供できない。その状況で、「施術ができない分、コースの良さを言葉だけで伝えよう」と必死に勉強しました。
自分が実際にコースを受け、その効果を分析し、お客さまに提案する。
この時期に培った提案力と客観的な視点が評価され、1年目での店長抜擢につながったのだと思います。
ーー「フロントから店長へ」というキャリアは珍しいのですか。
珍しいケースだと思います。
でも、その経験があったからこそ、技術だけでなく数字や運営を俯瞰(ふかん)して見る癖がつきました。店長になってからは、ベテランのフロントスタッフから言葉遣いや接客のいろはを細かく指導していただきました。
今の私があるのは、あの時の積み重ねのおかげだと思っています。
