12万超の口コミから選出
「@cosmeベストコスメアワード」では、「@cosme」に寄せられた口コミ投稿などをベースに、今生活者が支持しているコスメを表彰する。今回のアワードの対象商品数4334アイテム、対象口コミ数12万8800件と、いずれも過去最高を記録したという。
同社のプラットフォーマーとしての知見や、売り上げの動向、口コミなどの各種データから、化粧品市場のトレンドや、化粧品ユーザーの意識変化が浮き彫りになった。
総合大賞は約1割値下げ
資生堂ジャパンの化粧水「d プログラム『モイストケア ローション EX』」が総合大賞を受賞した要因の一つとして、昨年10月のリニューアル時に、クオリティーを高めながらも、約1割の値下げを行ったことがあるという。3740円(税込)だった価格を、3300円(同)に改めた。
スキンケアへの意識・行動変化に関するユーザーアンケートでは、昨今の物価高を受け、「値上げラッシュの中、品質が高く手に取りやすい価格帯の商品に魅力を感じるようになった」と回答した人が全体の約42.4%を占めたという。
アイスタイルデータコンサルティングのデータアナリスト兼リサーチャー@cosmeリサーチプランナーである西原羽衣子氏は、「これは推察になるが、リニューアルを機に容器を変えた。プッシュ式のボトルから、振り出すタイプに変更した点が、テクスチャーや使用感は大きく変えないというポリシーを貫きながら、コスト抑制成功につながった可能性がある。使用感やクオリティーを担保したまま価格を下げられた点が、生活者に寄り添っていると、支持された部分だったと見ている」と話す。既存の愛用者からすると、容器の変更は常にポジティブに受け止められるわけではない。「そうした要素を生活者に対し分かりやすく、『これはなくなるけれど、その代わりこういうメリットがある』といったコミュニケーションをしっかり行ったことで、理解を得られたのではないかと考えている」(同)と分析している。
新規愛用者50%増
資生堂ジャパンのブランドマーケティング本部ダーマ・クリニカルマーケティング部dプログラムブランドディベロップメントGブランドマネージャーの家谷直嗣氏は、「リニューアルでは、『一人でも多くの敏感肌の方に使っていただきたい』という強い思いから、値下げの決断に至った」と話す。
反響は想定以上だったという。リニューアル後、20~30代を中心に、新規愛用者が前年比50%以上に増加し、トータル愛用者数も同25%増と拡大したという。男性の愛用者も増えているそうだ。
保湿訴求はマストか
総合ランキングトップ10のうち9商品が、保湿訴求を行っているという。同社のユーザーアンケートによると、メークアイテムにも「保湿力」を求める生活者が約4割を占めたとしている。乾燥対策への意欲がスキンケアの枠を超えて広がっているようだ。
バズ消費に変化
同社によると、口コミを読み解くと、”バズっている”だけでは選ばれない時代にシフトしているという。
若年層を中心に、”バズ〟をきっかけにしつつも、「自分に合うか」「投資する価値があるか」を見極める消費に移行しつつあるという。
「墓コス」4.8倍
同社の口コミ分析によると、「墓コス(一生使い続けたいコスメ)」というワードが、4年前比で4.8倍に急増したそうだ。SNSにおいても、共感や愛着を原動力とした”応援買い”の動きが活発化しているという。
「ブランドのファンをつくれるかどうか」が、これまで以上に問われる時代に突入しているようだ。
