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2026.07.06

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【販売員の販売単価向上、社員コンサルのスキルが変革】ポーラ 安野晋平執行役員 インタビュー

安野晋平氏


化粧品訪販最大手のポーラ(本社東京都、小林琢磨社長)では、サロンを軸としたトータルビューティ事業の構造改革が進んでいる。全国の販売現場を統括する安野晋平執行役員によると、化粧品市場がAIなどのデジタルが進展し多様化する中で、「人間の接客力」を底上げする同社の新たな成長戦略が進んでいるという。販売員であるビューティーディレクター(BD)の販売単価向上と、それを支えるコンサルタント(社員)のスキル変革が進んでおり、外部環境に左右されない強固な事業構造の構築を急ぐとしている。





プロ化で販売単価が向上


──2025年12月期のトータルビューティ事業は減収となった。現在の足元の状況はどうか?

エステと化粧品を組み合わせた体験価値を提供するショップについては、一定の売り上げを維持しており、注力した成果が出ている。

確かにコロナ禍以降、高齢化などもあって全国的に売り場や稼働するBDの数が減少していることは事実であり、このトレンド自体を完全にゼロに戻すことは難しい。

一方で、大きな手応えもある。稼働しているBD一人当たりの販売単価は確実に向上している。当社では、顧客数や肌分析件数、エステ実施件数などを条件化したステータス制度を設けているが、それを達成するBDの数が着実に増えている。


12項目で社員を評価


──販売効率が上がっている背景には、彼女たちを支える地域担当のポーラ社員のコンサルタントの存在もあるのか?

その通りだ。現場の力を引き出すためには、それをサポートするコンサルタントのスキル向上が不可欠であり、ここを集中的に強化してきた。

具体的には、昨年から、コンサルタントが発揮すべき専門能力の要件定義を刷新した。

市場分析力や店舗のPDCAを回す力、さらには店舗の財務状況の把握に至るまで、12の評価項目を設定し、それぞれのスキルレベルを4段階で可視化した。

集合研修と上長による日々のフォローアップを行いながら、半年に一回、厳格に現在地を評価し、その結果を個人の人事評価へ直接連動させる仕組みへかじを切った。

まだ、標準化の途上ではあるが、この取り組みによってコンサルタントの「店舗経営を導く力」は大幅に上がっている。

特に優秀な社員は「エキスパートコンサル」として、全国の重点店舗のテコ入れや、他のコンサルタントの育成を先導する役割を担っており、組織全体の知の底上げにつながっている。


オンライン・リアルのハイブリッド


──BDに対する研修や教育体制はどうか?

コロナ禍で本格導入したオンライン研修の仕組みによって、各BDは効率的に知識を習得できるようになった。

ただ、接客・接遇の機微の習得や、互いに刺激し合ってモチベーションを高めること、正当な評価を受けて熱量を感じることは、オンラインだけでは限界がある。
 
昨年からは、全国の人材育成研修のリアル開催を復活させた。各地域での階層別のスキルアップ研修も、リアル開催へシフトしている。

効率的なオンラインと、熱量を伝えるリアル。このハイブリッド教育が、BDのスキル向上と単価アップの後ろ盾となっている。


AI×人の掛け算


──インフレによる消費の冷え込みにはどのように対応していくか?

チャネル拡大の施策としては現在、ポーラの売り場がなく、空白市場となっているエリアに対して、既存の優秀なオーナーが複数出店できる「サテライト店舗制度」を新設した。

これまで「一売場一オーナー」という原則があったが、基準を満たしたオーナー・売場については、複数出店ができるようにした。

こうした背景もあり、2025年の新設売場数は76となり、売場数減少が下げ止まりつつある。

今後は、デジタル技術の活用も加速させる。当社は長きにわたり、顧客の肌データやカウンセリングデータを豊富に蓄積している。このデータをAIに学習させ、お客さまを美しくするための最短ルートやヒントを導き出していく。

ただし、AIだけで完結するネットビジネスを目指すわけではない。

AIが導き出したヒントを、コンサルタントやBDが解釈し、顧客一人一人とじっくりと向き合う密度の濃い接客の中で、人間の温かみとともに顧客へ還元する。






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