研究会がこれまで各所に回ってきた提言の結果、政府の「成長戦略」「骨太の方針」「知的財産推進計画」の3つの正式文書に「Jビューティ」の文言が明記、国家の成長政策として位置づけられた。背景には、韓国の「Kビューティ」をはじめとする海外勢との激しい開発・市場競争がある。
現行の日本の規制では、化粧品の広告表現は56項目に厳しく制限されており、海外勢に比べて訴求力が弱いとの指摘があがっていた。
厚労省は今後、海外の規制状況に関する調査やPMDA(医薬品医療機器総合機構)での基準検討を経て、「医薬品等適正広告基準」の局長通知を改定する方針だ。これにより法改正を経ることなく、2027年度中に「保湿率〇%向上」といった科学的根拠に基づく数値データや、愛用者の体験談の掲載が可能となる見通し。
研究会側は、禁止事項以外は原則として自由な表現を認める「ブラックリスト方式」への抜本的な転換も視野に入れており、来年中にも法改正を含めた議論を本格化させたい考えを示した。
さらに、ウェブ上の違法な虚偽・誇大広告への対策として、総務省が「違法情報ガイドライン」を一部修正し、プラットフォームによる迅速な削除対応ができる仕組み作りを推進している。現在パブリックコメントを実施しており、近く改定される見込みだ。
こうした政府の動きと連動し、民間側でも大きな動きが本格化する。日本化粧品工業会をはじめとする産業界は、化粧品や美容家電などの「製品」と、ヘアー、エステ、ネイルなどの「サービス」が垣根を越えて連携する「Jビューティ民間コンソーシアム」を設立する。今年9月に準備委員会を発足させ、12月の正式設立を目指すという。
研究会側は、2033年までに50兆円の達成を掲げる国のクールジャパン戦略のうち、コンテンツ分野を除く30兆円の市場において、このJビューティ産業を「外貨を稼ぐ主軸」に育てたいとしている。今秋の次期国会開始時期を目処に自民党内で正式な議員連盟(議連)を立ち上げ、官民一体となって産業構造のレベルアップとグローバル展開を強力に後押ししていく構えだ。
