調査は、直近6カ月以内にネットショッピングを利用した全国の20~65歳の男女1150人を対象に、「エージェンティックコマースの購買・決済に関する実態調査」として実施した。
それによると、商品選びを支援する用途など購買前の場面でAIの活用が広がっていることが明らかになった一方で、購入・決済までAIに任せてもよいと回答した人は2.2%にとどまった。情報収集から実際にお金が動く決済へ進む過程には、依然として心理的な壁があることが分かった。
そのほか、AIに任せてもよい範囲は、「自分の好みに合いそうな商品候補を探してもらう」(37.2%)、「口コミやレビューを要約してもらう」(29.0%)だった。
BNPL(後払い)利用者では、AIを活用した購買行動の実施率が81.7%、AIによる決済提案への利用意向が83.7%となり、非利用者と比べて高い受容性が見られた。
AIによる決済を利用する条件として、「最終確認・承認を自分で行えること」が52.8%で最も多く、「信頼できる企業・ブランドが運営」や「提案の根拠・理由が明確に表示」がこれに続いた。AI決済には透明性や安心感が求められていることが見て取れる。
これらの結果について、NP総研は「エージェンティックコマースの普及には、AIによる自動化だけでなく、利用者が最終判断を行える仕組みや、提案理由・利用状況を確認できる信頼設計が重要であることが示唆された」と指摘した。
特に決済の場面では、「最終判断は自分で行いたい」「提案理由を確認したい」「利用状況や支払い内容を把握したい」といったニーズが強くあるとしている。AIによる利便性への期待は高まるものの、お金が動く場面では、利用者が納得して意思決定できる仕組みが不可欠であることが示された。
NP総研は「エージェンティックコマースの進展に伴い、決済サービスに求められる価値は、単に取引を自動化することから、利用者が安心してAIに取引を任せられる『信頼される決済UX』を構築することへと広がっていくだろう」と分析している。
