同イベントは、3部制で実施された。第1部では、キリンホールディングスのヘルスサイエンス事業本部経営企画部の三和聖奈主務が登壇し、保育園職員向けに、「夏の健康セミナー」を行った。「子どもは、汗腺などの体温調節能力が十分に発達しておらず、体重あたりの体表面積が大人よりも大きい。大人以上に暑熱環境の影響を受けやすい」(三和氏)といったリスクについて解説。夏場の健康管理や、健康を守るために保育園や家庭で意識したいポイントの説明を行った。
研究結果をもとに解説
第2部には、キリンホールディングスのR&D本部キリン中央研究所の大塚早真氏が登壇した。キリンが実施した細胞実験の研究結果をもとに、高温・脱水条件が免疫細胞に与える影響について解説を行った。
高温条件下や脱水状態を模した高浸透圧条件下(脱水条件)では、「免疫細胞pDC」の働きが低下することが示されたという。
大塚氏は、「乳酸菌の株『L.ラクティス プラズマ』を事前に添加すると、高温・脱水条件下で生じる免疫細胞pDCの活性低下が抑制される」と話す。
「脱水条件下においては、活性低下した免疫細胞pDCの働きが、その後に水を添加しても改善しないことも示された」としている。夏特有の環境ストレスによって生じる変化について説明した。
温度変化を可視化
第3部では、ファンケルの経営企画本部の松田妙氏が登壇。体表面の温度変化を〝見える化〟するツール「示温シール」について紹介を行った。ファンケルが開発した「示温シール」は、体表面温度34度から紫色に変色する仕様だという。「夏場に見逃されがちな不安や不便を、色の変化で見える化し、早めの休憩・給水・冷却などの行動をサポートする」(松田氏)と言う。
「本人だけでなく、周囲の人も変化に気づきやすくなる。休憩や水分補給、冷却などの行動について考えるきっかけづくりとなるツールだ」と説明した。
イベントの最後に、示温シールを貼った園児が園庭で外遊びを行った。体表面の温度に応じて、シールの色の変化を体験した。
実証実験で85%が満足
社会実証実験による調査では、「示温シール」を提供した教育現場において、教員からのフィードバックは「とても良い」「良い」が85%を占め、高い評価を得たという。実証試験の参加者は、「児童は自分の体の状態を言葉で人に伝えることが難しい。示温シールは自分たち(管理者側)も見て分かるので助かった」といったコメントをしている。
「示温シール」は、現在10万枚を提供しているそうだ。今年は30万枚の提供を目指すとしている。
本格的な販売開始は来年以降を予定しているという。価格について、現段階では1枚税込70円で、卸販売を行っていく計画だという。
