ヒト幹細胞培養液エキス配合の化粧品を中心にネットワークビジネス(NB)を展開するエックスワン(本社東京都)の社長に、菅則子氏が就任してから1年が経過した。菅社長によると、エックスワンでは今後、単なるNB企業としてではなく、化粧品・健康食品メーカーとして、販路の開拓や個別の販路専用の商品開発も展開していく予定だという。TikTokを活用した新たな直販戦略や今後の展望について話を聞いた。
新しい体制で安心を
──社長就任から1年を振り返っての手応えは?
就任から1年が経ち、冷静に経営全体を見渡せるようになった。前社長が長年トップを務めていたこともあり、会員に「新しい体制でも安心できる」と感じていただくことが最優先課題だった。
この1年は、全国の会員や販売員とできる限り直接会う機会を増やした。
一時期取りやめていた紙の会報誌を復活させ、毎月「社長奮闘記」というコラムを自ら執筆・掲載している。こうした発信を通じて、徐々に「親しみやすくなった」「新しい風が吹いている」といったポジティブな声をいただけるようになり、手応えを感じている。
価格や外装で差別化
──御社はNB以外にも、家電量販店や百貨店などの卸売りにも強い。この狙いは?
私たちは、単なるNBの会社ではなく、健康食品や化粧品のメーカーであると位置付けている。
会員ビジネスだけでなく、店舗での卸売りも重要な販売チャネルだ。現在、家電量販店や専門店、百貨店など約24店舗で、当社の商品を取り扱ってもらっている。
ただし、同じ商品を同じ仕様で売るのでは、会員向け価格と一般価格の間で混乱が生じる。
現在、顧客ターゲットやニーズに応じた商品の明確な仕分けを進めている。
例えば先日発売したNMNのサプリメントでは、NBの会員向けにはパッケージを簡素化し、ゴミを出さないシンプルな仕様で、約1万5000円という手頃な価格で展開している。
一方、インバウンド客を主要ターゲットとする卸向けには、豪華な装飾箱を採用したハイエンド仕様で、約4万2000円という価格で打ち出している。
お客さまが求める価値に合わせて、見せ方や価格設計を最適化していく。
──自社直販(DtoC)を強化すると聞いた。
これまで会社を支えてきた会員事業と卸売事業の二本柱は、世界情勢や環境変化の影響を受けやすい側面がある。
リスクを分散し、事業基盤を強固にするため、第三の柱として、動画プラットフォームのTikTokや自社ECを活用した直接販売(DtoC)を本格始動させている。
特に、TikTokにおいては、単に自社アカウントで配信するだけでなく、NBの会員が配信者となって、商品を紹介・販売できる仕組みを整えつつある。会員の多くは、商品の良さを伝える技術が高く、非常に強力なパートナーだ。
会社としてTikTokのアルゴリズムやノウハウを学び、それを会員へ教育プログラムとして還元するプランもある。共に成長するエコシステムを構築している。
──NBの一環としてTikTokの配信を使ったプランがあるのか?
TikTokの主要なユーザー層である、30~40代を含む若い世代に刺さる手軽な新ブランドの立ち上げや、専用商品の開発も順次進めているところだ。
創業40周年イヤーへ
──デジタル対応の進捗は?
業界の特性上、紙の契約書面を必要とするお客さまや、対面でのやり取りを重視する人は根強く存在する。すべてを強引に完全ペーパーレス化するのではなく、デジタルとアナログの双方を併用し、多様な生活スタイルに対応できる柔軟な環境を整えることが現実的だと考えている。
──来期は創業40年という大きな節目の年を迎える。抱負を知りたい。
私自身入社して20年目、そして社長就任1年、会社としては40周年という非常に多くの節目が重なる時期を迎える。
40年続いている歴史は、メーカーとしても大きな信頼の証だ。
来期は「40周年お祭りイヤー」として、全国の会員やお客さまに還元する大型イベントや記念施策を多数計画している。
自社直販などの新しい挑戦を加速させつつも、創業以来の軸である会員の皆さまを何よりも大切にし、全員で盛り上がれる1年にしていきたい。
