2025~2029年の消費者政策の柱となる第5期の基本計画の策定に向け、有識者懇談会を開催している。3月13日に開いた第2回懇談会では、初回で挙がった意見を踏まえて骨子を整理しながら、盛り込む内容を再検討した。
骨子では、取引環境の変化に置かれている中で、消費者教育の側面だけでなく、事業者などの取り組みや、悪質事業者の排除という方向性も盛り込むこととなった。
多くの意見が挙がったのは「ぜい弱な消費者」の保護に向けた制度作りだ。第1回では、委員から「自立した消費者像に偏り過ぎている」との意見が示された。それを踏まえ、骨子では「消費者と事業者の協働による取組」という文言が盛り込まれた。
さらに「悪質なマルチ商法」や「初回〇円」などをうたう詐欺的な定期購入通販による消費者トラブルが増えていることを背景に、「優良な事業者が選ばれる環境づくりと悪質事業者の市場からの排除」を盛り込んだ。
全国消費者団体連絡会の郷野智砂子事務局長は、「インターネット取引のうち、CtoCに関するルール策定と消費者・モール運営事業者などへの普及を計画化してほしい」との意見も挙がった。
さらに、法整備への提言では、「多数の被害者が発生しても、具体的な対策がなされるのは一定期間が経過した後だ。また、消費生活相談において、特定商取引法よる解決ができない場面が多い」とした上で、「特定商取引法などの罰則について厳罰化を進めるべき」とも話している。
今後は、2024年の夏頃に2回の懇談会を開催し、素案を整理する予定。