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2024.04.30

【インタビュー】日本トリム 田原周夫社長「透析患者の疲労軽減に貢献 大規模病院でも採用進む」

田原周夫氏

電解水素水整水器メーカーの日本トリムは、人工透析を実施している病院向けに、電解水透析を実施するための機器を提供している。日本トリムによると、人工透析で使用する透析液の希釈水を電解水素水に置き換えると、通常の透析用水を使用する場合に比べて、患者の疲労軽減につながりやすいというデータがあるという。東京の聖路加国際病院や、千葉の亀田総合病院といった大規模な病院でも、電解水透析を採用するケースが増えているという。日本トリムの田原周夫社長に、電解水透析を病院が導入するメリットについて聞いた。


水素分子が酸化・炎症を抑制


─日本トリムが提供している病院向けの電解水透析の技術について聞きたい。

血液の人工透析に使用する透析液に水素分子を溶存させるという技術で、「電解RO水」を希釈水として使用している。「電解RO水」は、溶存水素を多量に含む「電解水素水」をRO(逆浸透膜)処理して作られる。電解水透析の透析液には、一定の水素分子が溶存する。

水素分子には、抗酸化作用がある。電解水素水に含まれる水素が、活性酸素のヒドロキシラジカルと反応し、酸化ストレスや炎症反応を抑えることが確認されている。

つまり、電解水透析では、人工透析によって、血液に発生した活性酸素の作用を、電解水の水素分子が抑制するというメカニズムだ。それにより、酸化ストレスや炎症反応が原因で起こる、さまざまな副次的症状を軽減することが期待される。

人工透析は一般的に、1日当たり4~5時間かかる。人工透析を受けた日は、仕事や家事ができないほど疲れてしまうという人がたくさんいる。ひどい人では、帰宅して食事をすることすらもままならないと聞く。

電解水透析では、そうした透析患者の疲労を軽減することも期待できる。

透析患者の疲労には、血液の酸化によるストレスが関与しているといわれている。血液が体の外の物質と触れることにより、酸化するのだという。

抗酸化性のある水素分子を溶存した電解水素水による透析を実施すれば、患者の疲労抑制に大きく貢献できる。患者自身だけでなく、ケアするスタッフの負担軽減にもつなげることができると考えている。

─家庭用整水器にも技術を応用しているとのことだが。

通常、水素を多く精製するために水を強く電気分解すると、アルカリ性も強くなる。透析用水はアルカリ性でないほうが良く、電解水透析ではアルカリ性にならずに水素分子を生成できる技術を採用している。

当社の家庭用電解水素水整水器は、「胃腸症状の改善」効果が認められた医療機器だ。水の性状に規定があり、phは9~10が適性値とされている。その基準内で多量の水素分子を溶存させるために、電解水透析の技術を応用し、搭載している。

─国内での、日本トリムの電解水透析の導入状況は。

国内では現在、32の医療施設で導入されている。大規模な病院での導入が多く、合計970床で導入されている。日々、人工透析の現場で活用されている。

ウェルビーイングをサポート

─通常の透析との違いを感じる人は多いか。

通常の透析から電解水透析に切り替えたことにより、体感の違いをはっきり感じたとの声を聞く。

透析治療後に、仕事にも戻れる。自宅で家事をすることができるようになったという人もいる。

腎臓の機能の低下は通常、治療して元に戻ることはないと言われている。腎移植をするか、透析を続けることが、生活を続ける上で必要だ。そのため、疲労の軽減につながる電解水透析を導入することは、患者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高め、ウェルビーイングな生活をサポートすることにつながる。

─病院が電解水透析を導入するメリットは。

透析患者の疲労を軽減できれば、投薬量の減少にもつながる。患者をケアする看護師の負担も軽減できる。

日本の透析患者の数は減少傾向に転じるそうだ。電解水透析を導入することで、他の病院との差別化を図ることができると考えている。

何よりも、透析患者の負担軽減につながり、ウェルビーイングに適合する治療法であることを訴えたい。

グローバルなスタンダード治療への発展を目指していく。




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